前回の「首絞め事件」のあと、保護者の方からの苦情もありました。「うちの子が叩かれた」といった連絡が入るたびに、私は何度も頭を下げて……正直、心がすり減っていく毎日でした。

席替えをしてもトラブルが続いてしまって。結局、息子は先生の隣の席になっていたんです。実はそれ、最初は私も知りませんでした。

「様子を見に行きましょう」で発覚した席のこと

カウンセラーの先生の予約をしていた日のこと。先生が「お母さん、息子さん、だいぶ変わってきてるので、ちょっと様子を見に行きましょう」と声をかけてくださって。

クラスの横を、そっと通りすがるくらいの感じで、少しだけ様子を見に行ったんです。そこで気づきました。「あれ……息子の席、先生のすぐ隣だ」と。

正直、ドキッとしました。「それだけ、目を離せないってことなんだ」と、胸がちくっとして。

でも次の瞬間、私はこう思い直したんです。

「……いや、逆に。この方が何も起こらなくて、安心かもしれない」

そばで先生が見ていてくれる。それで一日が穏やかに過ぎるなら、私はそれでいい。マイナスに捉えるんじゃなくて、そう思えるようになっていた自分にも、少し驚きました。

ステップアップ教室との出会い

そんな中、以前から先生に教えてもらっていた**「ステップアップ教室」**の体験に行くことにしました。

週に1〜2回、授業の時間に、専門の先生と一対一で、話したり勉強したりできる教室だそうです。その子のペースに合わせて、じっくり関わってくれる場所——そう聞いて、「息子に合うかもしれない」と思いました。

そして、この教室の先生が……本当に、本当に良くしてくださる方で。

なんと、体験が決まったその日から、毎朝、校門の前で息子を待っていてくださるようになったんです。息子と一緒に本を見ながら、教室まで歩いていってくれる。

その光景を初めて見たとき、私は胸がいっぱいになりました。「こんなに一人の子のために、朝早くから……」。ありがたくて、しばらく言葉が出ませんでした。

「学校行かない」が、消えた

すると、翌日から——。

あんなに毎朝、「今日学校休み?」「今日は行かない」と布団から出てこなかった息子が。だらだらして、玄関でぐずって、なかなか家を出なかった息子が。

その行動が、ぴたっと、なくなったんです。

毎朝の「行く・行かない」の攻防がどれだけしんどかったか。経験のある方なら、わかってもらえると思います。それが、ふっと消えた。すごい進歩です。本当に。

時間はギリギリになることもあります。でも、毎日少しずつ、自分で支度をしたり、私のお手伝いをしてくれたり。そしてついに、ある朝こう言ったんです。

「今日は早く行くよ〜」

……この一言を聞いたとき、私、思わず手が止まりました。あの「行かない」が口ぐせだった息子が、自分から。じーんとして、しばらくその場で固まってしまいました。

ステップアップ教室で学んでいること

ステップアップ教室では、いろんな勉強をするそうです。

特に、対人関係の練習。「こんなときは、どうする?」とクイズ形式にしてみたり、いろんな形で、人との関わり方を学んでいるみたいです。

息子にとっては、これがすごく合っていたんだと思います。「ダメ!」と頭ごなしに叱られるんじゃなくて、「どうすればよかったかな?」を一緒に考えてくれる。その関わり方が、息子の心にすっと入っていったのかもしれません。

家では、私がいくら「こういうときはこうしようね」と言っても、なかなか届かなかったことが、専門の先生と一対一だと、すんなり吸収できるみたいで。きっと息子にとって、そこは「安心して失敗できる場所」なんだと思います。大勢の中だと焦ってしまう子でも、一対一なら落ち着いて考えられる。その子に合った環境って、こんなに大事なんだなと、あらためて痛感しました。

まだ2週間。でも、確かな成長

通い始めて、まだ2週間ほど。でも、その変化に私自身が一番驚いています。

  • 自分から行動できるようになってきた
  • 「その言い方は違うね〜」と、自分で気づいて口に出せるように
  • 一緒に帰るお友達に、自分から手を出さなくなった
  • 多少叩かれても、怒らずに対応できるように

特に最後の「叩かれても怒らない」——ここが、一番の成長だと思っています。

これまでは、ちょっと触られただけでも、反射のように手が出てしまっていた息子が、ぐっとこらえられるようになった。たった2週間で、です。これは、本当に大きな一歩だと思います。

「その言い方は違うね〜」と、お友達のことを気にかける言葉が出てきたのも、私には驚きでした。今まで自分のことで精一杯だった息子が、少しずつ相手の気持ちにも目を向けられるようになってきている。小さなことかもしれないけれど、私にとっては大事件です。

「今日一緒に帰れる?」が増えた

そして、うれしいことに。

前よりもっと、「今日、一緒に帰れる?」と声をかけてくれるお友達が増えました🌟

手が出なくなったこと、穏やかに過ごせる時間が増えたこと。きっと、まわりの子たちもちゃんと感じ取ってくれているんだと思います。トラブル続きだったあの頃を思うと、信じられないくらいの変化です。

おわりに——頼ることは、負けじゃない

もちろん、まだ道の途中です。完璧になったわけじゃないし、これからもきっと、いろんなことが起きると思います。

でも、先生の隣の席も、門で待っていてくれる先生も、ステップアップ教室も——学校がこんなに息子のことを考えて、協力してくれている。 そのおかげで、息子は少しずつ、でも確かに成長しています。

一番変わったのは、もしかしたら私かもしれません。以前は「親の私が何とかしなきゃ」と一人で抱え込んでいました。でも、学校や専門の先生に「助けてください」とお願いできるようになってから、息子も私も、ずっと楽になったんです。

「うちの子、大丈夫かな」と毎晩不安だったあの頃の私に、教えてあげたい。「ちゃんと、前に進めるよ」って。

同じように悩んでいるお母さん、お父さん。誰かに頼ること、「助けて」と言うことは、決して親の負けじゃないですよ。一緒に、少しずついきましょうね。

はなより