習い事って、「続けさせたい親の気持ち」と「子どもに合う環境かどうか」のバランスが、本当に難しいですね。
今日は、いま進行形で悩んでいる「そろばん教室」の話を、正直に書かせてください。
幼稚園から続けてきた、そろばん
息子は幼稚園で、そろばんを教えてもらっていました。
いろんなことが長続きしにくい息子が、そろばんは嫌がらずに続けられていた。だから小学校に上がるとき、「せめてそろばんだけは続けてほしいな」と思って、家の近所のそろばん教室に通わせることにしたんです。
教室の先生は、一言でいうと「昭和なタイプだな〜」という印象。厳しめだけど、熱心。最初は「まあ、こういう先生も息子には必要かもしれない」と思っていました。
息子の特性と、トイレ問題
ここで、うちの息子の特性の話を少し。
息子は、何か気になることがあると、そのことで頭がいっぱいになってフリーズしてしまいます。一度気になり出すと、他のことが何も進まなくなるんです。
そしてもうひとつ、トイレを我慢するのが苦手。だから、そろばん教室でも毎回、途中でトイレを借りていました。
これ、「行きたくなる前に行っておけばいいのに」と思われがちなんですが、感覚の問題もあって、本人にはなかなかコントロールが難しいんです。ギリギリまで気づかない、気づいたときにはもう限界。だから「途中でトイレに行ける」ことが、息子にとっては安心して過ごすための大事な条件だったりします。
先生は最初、「座ってやってな」と言っていたそうです(汚されるのが嫌だったのかな)。でもそのうち、こう言われたそうで。
「トイレは家でやってきて」
……この一言を、息子は真正面から受け取ってしまいました。
「ここでは、トイレに行ったらいけないんだ」
我慢して、我慢して、そして
それからの息子は、そろばんをしながらトイレを我慢するようになっていたみたいです。
トイレの我慢って、大人でも足をバタバタさせたり、体をゆすったり、ちょっと落ち着かない感じになりますよね。息子も同じでした。足をバタバタ、机をたたいたり——。
でも先生には、それが「落ち着きのない問題行動」に見えたんだと思います。
「他の人に迷惑をかけるから、帰って」
そう言われて、息子はいつもの何分の一かの、たった20分ほどで帰ってきました。
玄関で迎えた息子は……トイレを我慢しきれず、漏らしている状態でした。
その姿を見た瞬間の気持ち、どう言えばいいんでしょう。「トイレ行きたい」の一言が言えなくて、我慢して、机をたたいて、「迷惑だから帰って」と言われて、ひとりで帰ってきた息子。責める気持ちなんて1ミリも湧きませんでした。ただただ、切なかった。
先生からのメール
「こちらから事情をメールしようかな」と思っていた矢先、先生の方からメールが届きました。
内容は——「足をバタバタさせたり机をたたいたり、落ち着きのない行動をとると他の子に迷惑がかかるので、家で注意してほしい」。
息子から話を聞いていた私は、トイレ問題のことを伝えました。すると先生から「学校ではどうしてるの?」と返信が。
私はありのままを書きました。幼稚園の頃に一度は落ち着いた時期もあったこと。でも我慢しすぎて漏らすことが増えてしまったこと。小学校でもしばらく続いていて、保健室の先生にも協力してもらいながら対策していること。
先生からの返信は、「なるほど」。
理解してもらえた……のかな。ひとまず「様子を見ましょう」ということになりましたが、正直、どうなることやら、です。
文字だけのやり取りって、難しいですね。「なるほど」の三文字が、本当に納得してくれた「なるほど」なのか、話を切り上げるための「なるほど」なのか。顔が見えないぶん、あれこれ考えてしまいます。
続ける? やめる? 揺れるままの本音
いま、私はすごく悩んでいます。
夫の意見はこうです。「やる気をなくすような対応をされると、『行きたくない』になってしまう。変えた方がいいんじゃないか」
一理ある、と思います。あの教室のやり方は、息子には少し厳しすぎるのかもしれない。せっかく幼稚園から続いてきた「そろばん好き」の芽を、摘んでしまったら元も子もない。
でもね、一方でこうも思うんです。
わざわざメールをくれる先生は、息子のことを「なんとかしよう」と思ってくれているからこそ、連絡をくれる。放っておくこともできるのに、熱心に向き合おうとしてくださっている。その気持ちには、感謝しているんです。
厳しさと熱心さは、紙一重。だからこそ、悩む。
もし先生が息子に無関心だったら、きっと迷わず辞めていたと思うんです。でも「熱心だけど、やり方が息子に合わない」——これが一番、答えを出しにくい。
それに、ここで辞めたら「嫌なことがあったら辞めればいい」と教えることにならないか、という迷いもあります。いや、でも、我慢を教えるために漏らすほどつらい思いをさせるのは違うよね、とも思う。ぐるぐる、ぐるぐる。親の頭の中は今日も忙しいです。
同じように悩んでいる方へ
特性のある子の習い事選びって、「何を習うか」よりも「誰に・どんな環境で習うか」の方がずっと大事なんだと、今回あらためて感じています。
まだ結論は出ていません。しばらく様子を見て、息子の表情を一番の判断材料にしようと思っています。「そろばんは好き。でもあの教室はつらい」なのか、「そろばんごと嫌になりそう」なのか。それによって、答えは変わってくる気がします。
同じように、習い事の先生との相性で悩んでいるお母さん、お父さん。「せっかく続けてきたのに」と「子どもがつらそう」の間で揺れる気持ち、痛いほどわかります。
もし「うちはこうしたよ」という経験があったら、ぜひ教えてほしいです。悩んでいるのがうちだけじゃないと分かるだけでも、きっと救われる方がいると思うから。
続報、また書きますね。
はなより