玄関のドアが開いた瞬間、見知らぬ女の子が立っていました。

はなです。


ランドセル背負ったまま、知らない子がいる

在宅で仕事をしていたわたしは、「ただいまー」の声で玄関に出ました。

息子の後ろに、ランドセルを背負ったままの女の子。

「……だれ?」


「遊びに来た」らしい

息子はけろっとした顔で言いました。

「遊びに行く約束したから来てもらった」

この子、うちに来ること知ってたんだ。

「二人で手繋いで帰ってきたんよ」とも言っていました。

仲良いな。ほっこりする場合じゃないけど、ちょっとほっこりしました。


とりあえずおやつを出した

「ちょっと待ってね」と言いながら、頭の中は大混乱。

在宅の仕事は締め切り直前。でも子どもを放置もできない。

とりあえずジュースとおやつを出して仕事部屋に戻ったものの、「一体どこの子なんだ」が頭から離れない。


お母さんに連絡したい

「ねえ、お母さんの連絡先教えて」と女の子に聞きました。

「知らない」

「お母さんに連絡していい?」

「しなくていい」

…しなくていい、はさすがに無理です。


学校に電話しようとしたら「ダメ」と止められた

「じゃあ先生に聞くね」と電話しようとしたら、女の子に「ダメ!」と止められました。

小1の子が「ダメ!」と言ったくらいで止まるわたしじゃない。

とにかくこの子をお家に送り届けようと、車を出す準備をしました。


そのとき、電話が鳴った

「プルルル……」

学校からでした。

「○○ちゃんを探しているんですが、ご存知ですか?」

先生方が総出で探していたそうです。

「います!うちにいます!」


グラウンドでもう少しだけ

先生と合流して、事情を説明しました。

先生も女の子のご両親も無事で安心。

二人ともまだ遊び足りなかったのか、グラウンドでもうちょっとだけ遊んで、それからお別れしました。


息子に友達ができた

帰りの車の中で、ぼんやり思いました。

こんなにやんちゃな息子でも、仲良くしてくれる子がいるんだ。

しかも手を繋いで帰ってくるくらい、気が合う子が。

嬉しいような、ちょっと寂しいような、不思議な気持ちでした。

仕事は……結局その日、全部終わりませんでした。

はなより