朝のあの登校しぶりが嘘みたいな帰り道でした。

同じ日の出来事とは思えない。子どもってほんとうに不思議です。


雨靴、聞かなかった

今日は雨だったので、登校前に「雨靴を履いていきなさい」と伝えました。

でも息子が選んだのは、いただきものの、少し大きめの雨靴。

「それ大きいよ、もう一個の方にしなよ」と言っても聞かない。聞く気ゼロ。最終的に「もういい!」と言って、その大きな雨靴でずんずん歩いていきました。

…まあ、いっか。足元は濡れないし。

そう自分に言い聞かせて、一緒に歩き出しました。


遠くから見たら、ちっちゃい作業員のおっちゃんだった

下校時間、小学校の近くで待っていると、遠くから息子の姿が見えました。

見た瞬間、思わず吹き出しました。

大きめの雨靴をぱかぱかさせながら歩く小さな後ろ姿。ランドセルを背負って、なんか妙にどっしりした歩き方で。

遠くから見たら、ちっちゃい作業員のおっちゃん。

思わず写真を撮りたかった(笑)。でも息子はわたしのことなんて眼中になし。周りのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに話しかけながら、楽しそうに歩いていました。


2年生のお兄ちゃんたちが、抜け道を知っていた

途中、2年生の男の子が2人、ふいに違う道へ曲がっていきました。

息子も迷わずついていく。

「帰り道はこっちよ!」と声をかけましたが、振り向きもしない。「お母さんも来て」と言うので「そっちは帰り道じゃないよ」と伝えても、お兄ちゃんたちと一緒にすっと路地に消えていきました。

はて。

わたしはとりあえずマップで検索しました。すると確かに、狭い抜け道のような路地があって、うまくいけば帰り道に合流できそう。

「……なるほど」と思いながら、わたしは正規ルートを歩いてその出口で待っていると、しばらくして路地からひょっこり息子が出てきました。

「早道だよ!お兄ちゃんが教えてくれた!」

なんともいえない顔で「そう」と答えるしかありませんでした。


複雑な気持ちを整理してみた

正直、心境が複雑でした。

お兄ちゃんたちと仲良く帰ってきてくれているのは嬉しい。知らない道を恐れずに進める度胸も、ちょっと誇らしい。

でも同時に「学校に知られたら……」「知らない路地は危なくないか……」という心配もある。

ぐるぐる考えながら、ふと思いました。

わたしも子どもの頃、やってたな。

「ここ抜け道!」「こっちの方が早い!」って友達と一緒に、普段と違う道を帰るのがなんだか冒険みたいで楽しかった。あの感覚、覚えてる。

息子も、同じことをしているんだ。

そう思ったら、少しだけ胸のつっかえが取れた気がしました。


でも、少しだけ寂しかった

帰り道、お兄ちゃんたちと話しながら歩く息子の横顔を見ていて、思いました。

これから先、こうやってままより友達を選ぶ場面が増えていくんだろうな。ままの言うことより、お兄ちゃんの「早道」を選ぶ日が続いていくんだろうな。

それは正しい成長で、喜ぶべきことで、わかってる。

でも帰り道にわたしの横を歩かなくなった後ろ姿が、大きな雨靴をぱかぱかさせながら遠ざかっていくのを見て、なんだかちょっと、ぐっときてしまいました。

朝はあんなに「帰りたい」って言ってたくせに。

まったく、かわいいやつです。