先日、学校の個人懇談がありました。

親にとって個人懇談って、ちょっと緊張するイベントですよね。特にわが家は……入学してからしばらく、この「先生と1対1で話す時間」が、ほぼ「相談タイム」だったんです。

以前の懇談は、ずっと「相談」だった

思い返せば、入学当初の懇談は、まだトラブルが起きている真っ最中。

「家ではどう対応したらいいでしょうか」 「学校ではどんな様子ですか」

そんな相談ばかりで、先生と一緒に頭を悩ませる時間でした。帰り道は、いつも少し重い気持ちで歩いていたのを覚えています。

「うちの子だけ、こんなに手がかかるのかな」。他のお母さんたちが笑顔で懇談を終えて帰っていくのを横目に、そんなふうに落ち込んだ日もありました。懇談の日が近づくと、少し憂うつになる自分がいたんです。

今回は、ドキドキしながら向かった

それが最近は、学校から電話をもらうことがほとんどなくなりました。

電話が鳴らないのは、もちろんありがたいこと。でも一方で、「学校での様子が見えない」という別の心配も生まれるんですよね。「本当に大丈夫なのかな」「無理してないかな」って。

だから今回の懇談は、前より気持ちは楽なはずなのに、やっぱりドキドキしながら向かいました。何を言われるんだろう、と。

先生からの言葉に、泣きそうになった

席について、先生が最初に言ってくださったのは——

「お母さん、本当にすごく変わったんですよ」

……この一言で、もう胸がいっぱいになってしまいました。あの、毎日謝ってばかりだった日々を知っているだけに、「変わった」という言葉の重みが、じんと沁みました。

社交辞令かな、なんて疑う気持ちは不思議と湧きませんでした。だって先生は、一番大変だった時期の息子を、誰よりそばで見てきてくれた人。その先生が「変わった」と言ってくれるなら、それは本物なんだと思えたんです。

先生の“相棒”になっていた息子

先生のお話を聞いて、いちばん驚いたのがこれです。

係のお仕事を、自分から進んでやるようになったというのです。しかも先生のお手伝いもたくさんしてくれるそうで。

息子の席は、先生の机のすぐ横。話を聞いていると、まるで**先生の“相棒”**みたいなポジションになっているようでした。

どうやら息子は、「お手伝いをして、褒めてもらう」ことがすごく好きみたいなんです。褒められると嬉しい→だからまた自分から動く→また褒められる。この良い循環に、息子はすっかりハマっているようでした。

あんなに「じっとしていられない」「指示が通らない」と言われていた息子が、自分から率先して動いている。エネルギーの向かう先が、トラブルから“お手伝い”に変わったんだな、と思うと、本当に感慨深かったです。

思えば息子は、昔から「じっとしている」のが苦手なだけで、動くこと自体は大好きでした。そのあり余るエネルギーが、これまではトラブルとして出てしまっていた。それが「係の仕事」「先生のお手伝い」という、誰かに喜ばれる形で発揮できるようになった。同じ元気さでも、向かう先ひとつで、こんなに景色が変わるんですね。

お友達との関わりも、ぐんと上手に

お友達との関係も、大きく変わってきたそうです。

休み時間は鬼ごっこをして走り回り、以前に比べて、自分から声をかけたり、お話ししたり——お友達との関わりが、ずいぶん上手にできるようになってきたと。

もちろん、まだ100点満点ではありません。ひとり、気をつけないとすぐ喧嘩になってしまうお友達もいるそうです。

でも先生は、こうも言ってくれました。「それは、お互いさまなんですよ」と。

「距離を取る」という、先生の絶妙なサポート

その喧嘩しがちなお友達は、少し言い方がきつくて、人のことを悪く言ってしまうところがあるそうで。それに対して、息子がイラッとしてしまうことはあるようです。

でも先生は、息子がイラッとして手が出たり言い返したりするその前に、さりげなく2人の距離を取ってくれているとのことでした。

「近づけない」のではなく、ヒートアップする前にそっと離す。そのさじ加減が、本当にありがたい。頭ごなしに「あの子とは遊んじゃだめ」と言うのは簡単だけど、それだと息子は「人との関わり方」を学べないままになってしまいます。先生は、息子が自分で気持ちを立て直せるように、見えないところで支えてくださっているんだと感じました。

しかも、まったく話さないように隔てているわけではないそうです。実際、息子の方から声をかけている姿も見かけるし、仲良く遊んでいる時間もある。「合わないから完全に引き離す」ではなく、「うまくいく時間は大切にしつつ、危ない時だけ守る」。この関わり方に、頭が下がりました。

少しの間に、こんなにも

振り返ると、本当にほんの少しの間に、息子はお友達との関わりを大きく広げてきました。

トラブルばかりで「お友達なんてできるのかな」と本気で悩んでいたのが、うそみたいです。

その日、家に帰ってから、私は息子をたくさん褒めました。「先生が、すごく頑張ってるって褒めてたよ」「ママ、すっごく嬉しかったよ」って。息子は照れくさそうに、でもとても嬉しそうにしていました。

その夜、寝る前にもう一度「今日は本当に嬉しかったな」とつぶやいたら、息子はもぞもぞしながら「ふふ」と笑っていました。言葉にはしないけれど、褒められた嬉しさは、ちゃんと伝わっているみたいでした。

おわりに

相談ばかりだった懇談が、褒めてもらえる時間に変わった。たったそれだけのことが、こんなにも嬉しいなんて。

もちろん、これで全部解決したわけじゃないし、これからもきっと山あり谷あり。でも、「変わっていける」ということを、息子自身が証明してくれました。

同じように、わが子の学校生活に不安を抱えているお母さん、お父さん。今がどんなに大変でも、子どもはちゃんと成長していきます。焦らず、その子のペースで。うちも、まだまだ途中です。一緒に、見守っていきましょうね。

はなより