「もう終わりにしよう」が通じない。
こだわりが強い子を育てているままなら、きっとわかる場面があると思います。
遊びの途中でも、絵を描いている途中でも、「もうやめよう」という声がまったく届かない。無理に終わらせようとすると大パニック——。
うちの息子がまさにこのタイプで、毎回どう対応すればいいか試行錯誤してきました。
なぜ「切り替え」が苦手なの?
多動傾向やADHD傾向のある子は、脳の「切り替えスイッチ」がうまく働きにくいことがあります。
やっていることへの集中が強すぎて、外からの「終わり」の合図が入ってこない。本人も「やめたい」と思っていないわけじゃなくて、頭ではわかっているのに体と気持ちがついてこない状態です。
「わがまま」「意地っ張り」ではなく、脳の特性によるものだと知ったとき、少し接し方が変わりました。
やってみてよかった工夫
①終わりの時間を「前もって」伝える
いきなり「終わり!」と言うのではなく、「あと10分で終わりにしようね」と事前に予告する。
さらに「あと5分」「あと1分」と段階的に伝えると、心の準備ができてスムーズに終われることが増えました。
②タイマーを使う
「ままが終わりと言った」ではなく、「タイマーが鳴ったから終わり」にする。
判断の主体をタイマーに移すことで、子どもが「ままのせいで終わりになった」と感じにくくなります。我が家では今やタイマーは必須アイテムです。
③「どこで終わりにする?」を子どもに決めさせる
「この絵の○○を塗ったら終わり」「この面をクリアしたら終わり」と、終わりの地点を自分で決めさせる方法。
「自分で決めた」という感覚があると、受け入れやすくなることがあります。
④やりかけを「保存」できるようにする
途中の絵は「続きは明日ね」と言って大切に取っておく。消えないようにする、なくさないようにする、というひと手間が安心感につながります。
「また続きができる」とわかれば、今終わることへの抵抗感が減ることがあります。
どうしてもパニックになってしまったときは
予告してもタイマーを使っても、どうにもならない日はあります。
そんなときは「今日は無理な日だった」と割り切るようにしました。
パニックが始まってからの説得は逆効果。嵐が過ぎるのを安全に待って、落ち着いたあとに話す。
それだけで十分です。
まとめ
切り替えが苦手な子への対応まとめ:
- 終わりの時間を前もって段階的に伝える
- タイマーで「客観的な終わり」を作る
- 終わる地点を子どもに決めさせる
- やりかけを保存して「また続けられる」安心を作る
- どうしてもダメな日は嵐が過ぎるのを待つ
完璧にはいかなくても、「昨日よりちょっとマシ」を積み重ねていきましょう。
「切り替え」が苦手だとわかってから変わったこと
息子のこだわりの強さに最初は「わがまま」と思っていました。
「なんで終わりにできないの」「みんなちゃんとできるのに」——そういう目線で見ていた時期があります。
でも「脳の特性でやめられない」という理解に変わってから、接し方が変わりました。怒ることが減って、予告とタイマーを使うようになった。
息子のパニックの頻度が減ったのは、私の接し方が変わったことも大きかったと思います。
外出時の「切り替え」が特に難しかった
家の中ではタイマーが使えるけれど、外では難しい。
公園で遊んでいて「もう帰ろう」が全然通じない——これが本当に困りました。
試した方法は「帰る前に好きなことを一回だけやる」という作戦。「帰る前に一回だけすべり台降りたら帰ろうか」と言うと、「一回だけ」の達成感で帰れることがあります。
もう一つは「帰ったら〇〇しよう」という見通しを作ること。「帰ったらアイス食べよう」「帰ったら好きな動画見ていいよ」と次の楽しみを提示する。「次」があるなら今を終わりにしやすい。
全部うまくいくわけじゃないけれど、引き出しを増やしておくことで対応できる場面が増えます。
こだわりの強さが「強み」になる場面も
毎日困らせてくれるこだわりの強さですが、プラスに働く場面もあります。
息子が好きなことに集中するとき、その集中力は並外れています。自分が決めたことを最後までやり切る力がある。
問題は「外から見てやめ時がわからない」こと。そこさえうまくサポートできれば、こだわりの強さは大きな武器になりうる。
そう思うと、切り替えの練習は「こだわりを消すため」じゃなくて「こだわりと上手に付き合うため」なんだと感じます。
まだまだ試行錯誤は続いているけれど、少しずつ積み上げています。同じ悩みのままさんに届けば嬉しいです。
はなより