帰ってきてから毎日聞かれていました。
「今日、〇〇ちゃん連れてきていい?」
はなです。
お土産を渡したくて、毎日聞いてくる息子
広島の大和ミュージアムに行ったとき、息子が「これ、〇〇ちゃんに買う」と言って選んだお土産がありました。
家によく遊びに来てくれる女の子のために、自分でお小遣いから出して買ったもの。それだけ仲良しなんだなあ、と微笑ましく思って見ていました。
帰宅してからは毎日のように「今日は連れてきていい?」と聞いてくる。
でも、なかなかタイミングが合わなくて。
相手の子の習い事の日だったり、息子の用事があったり、わたしの仕事が立て込んでいたり。数日がするすると過ぎていきました。
毎日聞かれるたびに「今日はちょっと難しいかな」と答えながら、息子のしょんぼりした顔を見るのが少し申し訳なくなってきていました。
やっと「いいよ」と言えた日
数日後、特に予定のない平日の放課後。
「今日、連れてきていい?」
いつもの問いかけに、「いいよ」と答えました。
息子の顔がぱっと明るくなるのがわかりました。「やった!」という声と一緒に、ランドセルを下ろしてバタバタと動き始める。
そして放課後、本当に一緒に帰ってきました。
2人が守ったルール
玄関を開けたら、息子と女の子が並んで立っていました。
「ちゃんとランドセルを家に置いてきた」「お母さんにも許可もらってきた」と、2人とも口を揃えて言いました。
学校から「遊ぶときはランドセルを家に置いて、親に許可を取ってから」という約束があることは知っていました。以前はこれがなかなか守れなくて、学校から注意を受けたこともあった。
それが今日は、2人とも自分たちでちゃんと守ってきた。
その一言を聞いた瞬間、わたしの中でじんと温かいものが広がりました。
「成長したな」と、心の中でこっそり思いました。
息子のおもてなしが、じんわりかわいかった
部屋に入ってからの息子の動きが、いつもと違いました。
女の子が「暑い」と言ったら、自分でエアコンのリモコンを持ってきてつけようとする。「喉乾いた」と言ったら、台所に走っていって飲み物を持ってくる。
ふだんは「暑い」と言われても知らん顔で遊んでいるくせに(笑)、この日だけはやけにせっせと動いていました。
一生懸命なのが伝わってきて、ちょっと笑えて、でもなんかじんわりかわいかった。
「お客さんを大事にしたい」という気持ちが、小1なりに行動に出ていたんだと思います。自分では気づいていないかもしれないけど、ちゃんと相手のことを考えて動いていた。それがすごく嬉しかったです。
お土産、やっと渡せた
遊んでいる途中で、息子が「あ、これ!」と言って大事そうに袋を持ってきました。
大和ミュージアムで自分で選んだお土産。数日間、ずっと渡したくて毎日聞いていたもの。
「これ、広島で買ってきたんだ。〇〇ちゃんに、って思って」
女の子は、目をぱっと輝かせて受け取ってくれました。「ありがとう!」という声が弾んでいた。
息子の顔がほっとしたように緩んで、「喜んでもらえた」という満足感がそのまま顔に出ていました。
ずっと渡したかったもの、やっと届けられた。それだけのことなんだけど、なんかじんとしてしまいました。
5時になったら、ちゃんと言い出した
遊んでいるうちに時間はあっという間に過ぎて。
「5時になったら帰る」というお母さんとの約束があったようで、しばらくすると女の子が「そろそろ時間かも」と言い始めました。
息子も一緒に時計を見て、「あ、ほんとだ」と。
1週間前だったら、時間になっても気づかないか、気づいても「もう少し」とぐずぐずしていたと思います。それが今日は、2人で確認して、きちんと切り上げられた。
玄関で「またね」と手を振り合って、女の子は帰っていきました。
小さな成長が積み重なっていた
ドアを閉めてから、息子が「楽しかった〜」と言いながらリビングに戻ってきました。
わたしは「よかったね」と答えながら、今日のことをぐるっと思い返していました。
ランドセルを置いて許可を取ってきたこと。相手が暑いと言ったらエアコンをつけたこと。喉が乾いたと言ったら飲み物を運んだこと。お土産をきちんと渡せたこと。時間になったら自分たちで気づいて帰れたこと。
どれも小さいことです。でも、1週間前には全部できていなかったことかもしれない。
成長って、気づかないうちにちょっとずつ積み重なっていくんだなあと思いました。劇的に変わる瞬間より、こういう「あれ、できてる」が積み重なっていくのが、子育ての面白さなんだと最近思います。
ままへのご褒美みたいな1日だった
毎朝「学校行きたくない」に向き合って、連絡帳の「授業中に立ってしまいました」を読んで、ため息をつく日もたくさんあります。
でも今日みたいに「成長してるじゃん」とじんとする日があるから、続けられる気がします。
子育ては大変なことばかりじゃなくて、こういうご褒美みたいな1日が、たまにある。
そのたびに「もう少し頑張れるな」と思えます。
息子よ、今日はありがとう。気づいてないかもしれないけど、ままはひっそり嬉しかったよ。
はなより