「注意しに行く」
夜10時、寝袋の中でごそごそしていた息子が、突然そう言い出しました。
……やめてくれ。
1年ぶりのキャンプ、楽しみにしてたのに
GWに久しぶりのキャンプへ行きました。前回から約1年。息子は生後6ヶ月からキャンプデビューしているベテランで(笑)、今回もずっと楽しみにしていました。
到着してからはご機嫌。自然の中で走り回って、夕飯を食べて、焚き火を眺めて——最高のキャンプの始まりでした。
問題は、夜になってからでした。
隣のグルキャン、夜10時を過ぎても鎮まらない
お隣のサイトでグループキャンプをしていた方々が、とにかく元気でした。子どもも大人も、わいわいがやがや。
息子はいつも8時過ぎには寝袋に入ります。キャンプの夜は早い。それがうちのスタイル。
でも10時になっても、隣は全く鎮まる気配がない。
息子、眠れない。
そしてついに一言。
「注意しに行く」
本気の目でそう言いました。わたしは全力で止めました。「絶対ダメ!」「迷惑かけちゃうから!」と必死になだめて、なんとか寝てもらいました。その夜のわたしの消耗たるや。
翌朝、隣のお母さんがやってきた
翌日、片付けをしていると、隣のグルキャンのお母さんが歩いてきました。
「あの……うちの息子が、叩かれたようで」
一瞬、頭が真っ白になりました。
「昨日遅くまでうるさくしていたからと聞いて、本当に申し訳ありませんでした」とそのお母さん。
息子、やっていたか。
一緒にグルキャンの子どもたちが数人ついてきていました。わたしはどの子を叩いたのかわからなかったので、お母さんに謝り、その場にいた子たちにも全員謝りました。
息子の「謝り方」が、また独特だった
叩いた子は遊具のところにいると聞いて、息子はそちらへ向かいました。
「ごめんね」「ごめんね」「ごめんね」
何度も何度も繰り返す息子。相手の子が「……もういいよ」と引き気味になるくらい謝っていました。
謝りすぎもどうかとは思いながら、「ちゃんと自分で謝りに行けた」という事実に、少しだけほっとしました。
でも……声を聞き分けた?
ここからが本当にぞっとした話です。
グルキャンのサイトには数人の子どもがいました。でも遅くまで一番騒いでいたのは、そのうちの1人だったそうです。
なのに息子は、翌朝、数人の子どもがいるグループの中から、その「1人」をピンポイントで見つけ出して叩きに行ったのです。
声を聞き分けたのか。暗い中でも顔を見ていたのか。
何かしらのアンテナで「犯人」を特定していたとしか思えない。
……すごいような、怖いような。正直、鳥肌が立ちました。
予想外の展開——お兄ちゃんたちが息子をかばってくれた
事件があったにもかかわらず、グルキャンの中にいた2人兄弟のお兄ちゃんたちが、なぜか息子の味方になってくれていました。
一緒に遊んでくれて、話しかけてくれて。息子もなんだか楽しそうで。
トラブルを起こした翌朝に、なぜか友達ができている。
この子のことが、わたしにはまだまだわからないことばかりです。
久しぶりのキャンプで感じたこと
ぞっとした体験もあり、友達ができる場面も見られて、人を叩く行為にがっかりする気持ちもあって——本当にいろんな感情が混ざった1泊でした。
完璧なキャンプじゃなかったけれど、こういうごちゃごちゃした経験が、この子を育てているんだと思っています。
来年もまたキャンプに行こう。こっそりそう決めた帰り道でした。