「今日学校休み??」
息子が毎朝起きてすぐに言う、この一言。
もう入学から何週間も経つのに、まだ毎日聞いてくる。 「休みじゃないよ」と答えるたびに、こっそりため息をついているまま、はなです。
朝の戦い、今日も始まった
布団から出てこない。
声をかけても「ん〜」とひと声だけ返して、またもぞもぞと丸まる。 起こしても起こしても、なかなか立ち上がれない。
やっと起きたと思えば、着替えに時間がかかる。 ごはんを食べるのにも時間がかかる。 なんなら箸を持ったままぼーっとしている時間がある。
「早くして」「時間ないよ」「もう行かないと」
この3フレーズを何回言っただろう、今日だけで。
そして毎朝恒例の、時間ギリギリ登校。 わたしの心拍数が上がる朝のルーティン、今日も絶賛開催中でした。
校門の前でまた立ち止まる
やっとの思いで家を出て、小走りで学校へ。
昨日まで悩んでいたのが、校門の前で立ち止まってしまうこと。
「入りたくない」とは言わないんです。 でも足が止まる。前に進めない。 なんとなく気持ちが向かっていないのか、それとも気持ちの切り替えに時間が必要なのか。
毎朝そこで5分、10分と時間が過ぎていく。
後ろには他の子たちがどんどん登校してくるし、わたしも「早く行って」という気持ちがどうしても出てきてしまって……正直、しんどかったです。
ボランティアのおじいちゃんが、いつものように声をかけてくれた
今日も学校の前に、いつものボランティアの方が立っていました。
地域の見守りをしてくださっている方で、毎朝子どもたちに声をかけてくれます。
その方が息子に近づいて、花壇を指差しながら言いました。
「この花、名前覚えてる?」
息子の目が、ぱっと輝きました。
そう、息子は花が好きなんです。 花の名前を覚えるのが得意で、散歩中も「これはなんていう花?」とよく聞いてくる。
「これは〇〇!」「これは〇〇でしょ!」
得意げに答えながら、花壇の花を1つ1つ確認していく息子。 ボランティアの方も「そうそう、よく知ってるね」と返してくれて。
気がついたら、二人でゆっくり話しながら、校門のほうへと歩いていました。
「学校に好きな花があるんだ」
花壇を見ながら歩いていたとき、息子がぽつりと言いました。
「学校の中にな、好きな花があるんだ」
「へえ、どこに?」と聞くと、「中庭のとこ」と教えてくれました。
ボランティアの方が「じゃあ見に行こうか」と言ってくれて。
息子、すんなり校門を通りました。
昨日まであれだけ立ち止まっていたのに。足が止まらなかった。
そのまま「行ってきます」も言わずに(笑)すたすたと教室のほうへ歩いていってしまって、わたしはその後ろ姿をただ見送りました。
子育てを終えた人の言葉は、やわらかい
帰り道、ずっとそのことを考えていました。
「早くして」「行くよ」ではなく、「この花、名前覚えてる?」。
わたしにはできなかったアプローチだと思います。 毎朝時間に追われているわたしは、息子の好きなものより「時計」を見てしまっていた。
ボランティアの方々は、子育てをひと通り終えた方々です。 急かさなくていい。結果を出さなくていい。 ただ子どもの横に立って、一緒に花を見ることができる。
そのゆとりが、息子の心を動かしたんだと思います。
焦っているのはいつもわたしだけで、息子には息子のペースがあって。
「花の名前」がその日の入口になるなんて、わたしには思いつかなかった。
本当に、ありがたかったです。
まだまだ朝は戦いの日々ですが、今日は少しだけ気持ちが軽くなりました。
「今日学校休み?」 「休みじゃないよ。でも好きな花、見てから行こうか」
明日からそう言ってみようと思います。
はな