今日も朝から、布団の中に人質が一名いました。

「今日、学校ある?」

毎朝恒例の第一声。わたしはもう「あるよ」の三文字を反射で返せるようになりました。条件反射って、子育てで磨かれるんですよね(笑)。


雨の朝は、もっとしんどい

今日は雨でした。

なんとか8時頃に家を出て、いつものルートを歩き始めました。最初はまだよかった。でも学校に近づくにつれて、息子の歩くスピードがじわじわ落ちてくる。

そして気づいたことがありました。

いつも、お花を見ていた。

登校中、息子はよく道沿いのお花のところで立ち止まって、じーっと見ていたんです。急いでいるときは内心「早くして〜!」と思いながらも、それがなんだか愛おしくて。

でも今日は、そのお花の前を、素通りしました。

見向きもせずに、ただ前を向いて歩いていた。いや、正確には「前を向いていた」というより、「うつむいていた」。

その後ろ姿を見たとき、今日はいつもよりしんどいんだなって、言葉なしにわかりました。


傘があると、もっと遠くなる

雨の日は、傘をさすから話しかけにくい。

隣を歩いていても、傘があるぶん少し距離ができる。声も届きにくい。息子の表情も見えにくい。

普段なら「ほら、もうすぐだよ」と肩に手を置けるところが、傘があるとそれも難しくて。雨ってこんなにも、気持ちの距離を広げるんだなと思いました。


校門まで、何度も後ずさりした

校門が見えてきたとき、息子の足が止まりました。

そして——後ずさり。

ゆっくり、ゆっくり後退していく。振り返って、わたしの顔を見る。また後ずさる。帰ろうとする。その繰り返し。

そのたびに来てくれたのが、ボランティアの方と先生でした。

手を引っ張って、立ち止まって、「こっちだよ〜」と声をかけてくれる。息子が後ずさりするたびに、何度でも。雨の中、傘を持ちながら、何度でも。

急かすわけでも、叱るわけでもなく、ただ根気よく。

そのおかげで、なんとか校門までたどり着きました。


「お母さん帰って」のひとこと

校門に着いたとき、先生がわたしに声をかけてくれました。

「お母さん帰って大丈夫ですよ」

このひとことが、いつもの合図です。

息子はこっちをじっと見ていました。嫌がっている目で、それでも何かを言いたそうな顔で。

わたしは「行ってらっしゃい」と言って、背を向けました。

振り返らないようにしながら、歩いて帰りました。


ボランティアさんへの感謝が、止まらない

家に着いてから、じわっときました。

雨の中、毎朝来てくれているボランティアの方たち。うちみたいに手のかかる子のために、何度も何度も手を引いてくれている。

「感謝」じゃ足りないんですけど、本当にありがとうございます。

あの方たちがいるから、息子は今日も学校に行けました。そしてわたしも、今日も一日を始められました。

お花を素通りするくらいしんどかった今日。それでも門をくぐれた息子を、ちょっとだけ誇りに思っています。

また明日も、よろしくお願いします。